蒼空~キミの名前を呼ぶ~






「『じゃあ、オレは手術は受けない。

死ぬまで…美紗の笑顔を見ていたい。


遠くからで、いいんだ…』




だってよ…

バカだよな、蒼空は…」





そう言った大嶋くんの表情には、今にも溢れ出しそうな涙と苦しそうな笑顔があった。


そして、少し俯き髪をクシャっとさせて、大嶋くんが言った。








「行ってあげてよ

蒼空のところに――…。」





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