蒼空~キミの名前を呼ぶ~
あたしは、びっくりして目を見開く。
「え…?」
あたしが、バカ?
そんなの今に始まったことじゃ…
「まだ高野くんのこと、好きなんやろ!?」
まどかの言葉に、ドキッとする。
それだけでなく、ぶちギレたまどかの迫力は凄くて、少し後退りしてしまう。
「もう…好きじゃない…」
「高野くんのこと好きじゃないヤツが、
なんで屋上で、
『蒼空、蒼空…』
って、名前呼びながら泣くねん!?」
は…?
「なんで、知って…」
「親友のこと気になったら、悪いん!?
うちら親友やろ!?
やのに、なんで相談してくれへんの!?」
そう言ったまどかは、涙目で。
「ご、ごめん…」
「だいたい…、何があったんか知らんけど
美紗が高野くんのこと好きなんやったら…
まだ、関係あるやん
どちらかが、まだ相手を想ってる限り
ふたりは、関係あるやんかっ!!」
「まどか…」
言い終わったまどかの顔は、涙で溢れていた。