蒼空~キミの名前を呼ぶ~




「そーそー♪
まどかちゃんの言う通り~」



そんな軽い声を出して、ヒョコっと大嶋くんの後ろから現れた、斗真。





「オレの気持ち、ムダにしないでよ~?」




ニカッと笑う斗真の笑顔は、あたしを元気にしてくれる。





「斗真…」



「それとも、またオレと…」




――バコッ



「黙れ、変態ッッ!!」



「いってぇーっ!!
角!! 教科書の角は痛い!!」



「うっさい」





………、

あたしって…幸せ者だね。


自分が一番カワイソウだと思い込んでた。



そんなはずないのにね?



だって、こんなにあたしを想ってくれる人たちがいるから。






「美紗…

何があったんかは、うちは知らん


でも、あんたらは関係なくなんかない!

ちゃんと…話し合ってき?」




そう言ったまどかの表情は、とても柔らかく優しいものだった。





「うん…っ
ありがと…まどか」




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