蒼空~キミの名前を呼ぶ~
“幸せ”
「こ…こ?」
大嶋くんが渡してくれた紙を、確認するようにもう一度見直す。
あまりにも大きな病院。
その大きさが蒼空の病気の重さを物語っているようで。
「あの…
高野 蒼空の病室は、どこでしょうか…」
「高野さんですね
…307号室になります」
「ありがとうございます…」
“高野さんという患者さんは、いらっしゃいませんよ?”
「……ッ」
そんな言葉をどこかで、期待していたあたし。
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“幸せ”