蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「じゃあ、
邪魔者は消えようかな」
そう言って、イスから立ち上がったおじさんにあたしはキョトンとする。
「コイツ…バカだろう?」
おじさんはそう言って、青白くなってベッドに横たわる蒼空に視線をやった。
「はい…、
あたしより断然バカですよ」
「美紗ちゃんよりかぁ…
それは、重症だなぁ」
「え、おじさん何気にヒドイです」
「あはは、ごめんごめん」
その笑顔を見て、蒼空の将来を見ているような気分になる。
それが何だか苦しくて、胸がギュッと締め付けられた。