蒼空~キミの名前を呼ぶ~
急げっ!!
て、こんな時にチャリ、パンク…。
最悪だぁ…。
とにかく、走れ!!!!
いや、確実遅刻だわ……。
――チャリンチャリン
はいはい、邪魔でしたか!
すみませんね!
――チャリンチャリン
まだ、邪魔ですか!?
――チャリンチャリン
あー、もう…っ!
うるさい…っ!!
あたしがくるっと振り向くと――…
「か、わい…。」
めっちゃ、可愛い…!!!!
目、クリクリっ!!
腰まである栗色の髪がよく似合ってる。
「へ!?あ、ありがと!!
じゃなくて!!
桜木高校の制服だよねっ?
遅刻するよ?乗って!!」
「へ!?いいの!?」
「遠慮なくどうぞっ♪」
美人なうえに親切…。
なんて、いい人!!
「あたし、佐藤まどか!!
よろしくね!」
「あたしは、沢渡美紗!」
「じゃあ、ミサ!!
遅刻するから、乗って!!
ぶっ飛ばして行くからっ!」
「了解っ!!」
美人って、話しにくいもんだと思ってた…。
今まで、誤解してました。
世界中の美人さんごめんなさい!
「はっしゃー♪」
――ビュンッ
「ぎゃああぁぁーっ!!!!」