蒼空~キミの名前を呼ぶ~
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「どうする? やっぱ、脅かしたいよな」
「うんうん」
307号室…つまり、蒼空の病室の前で、どんな入り方をするか、作戦会議中。
なんか、蒼空を脅かしたいらしい。
「ねぇー、もう入ろうよー?」
あたしは、少し呆れたような声で話しかける。
さっきから、看護婦さんや他の患者さんに、チラチラと見られている。
…変な目で。
―――ガラッ
勢いよく目の前のドアが開く。
「あ…」
ドアを開けたのは、あたしじゃない。
もちろん、作戦会議中のまどかたちでもない。
「丸聞こえ」
「……」
呆れ顔の蒼空さんでした。