蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「もう、そろそろ帰ろっか」
大嶋くんにそう言われて、窓に目をやると外はもう暗くなってきていた。
それに、もう少しでおじさんと菜緒さんも来るだろうし…。
あんまり長居しても迷惑だよね。
「じゃ、帰ろっか
また明日も来るね、蒼空」
あたしが、蒼空にそう言うと、斗真はニヤッとして
「オレらも来るね~♪」
と言った。
そんな斗真を見て、蒼空は『神崎は、もう来なくていい』と笑っていた。
いろいろとあったから、このふたりは険悪な雰囲気になるかもと少し心配したけど…
結構、いい感じ…?
みんなが病室から出て、あたしも出ようとすると…
「あ、美紗!」
蒼空に呼び止められた。