蒼空~キミの名前を呼ぶ~
あたしは、足を止めて振り返る。
「ん、なに?」
その瞬間、腕を引かれてバランスを崩す。
そして、あたしの身体は蒼空の胸へと吸い込まれた。
「そ、蒼空…!?//
なに!? 急にどうしたの!?//」
「ん? 忘れ物」
「あぁ! わすれも…」
最後まで言い終わらないうちに、あたしの唇は塞がれた。
…蒼空の唇によって。
目を丸くしている間に、あたしの唇から蒼空の唇は離れていて。
「バーカ」
そう言って、唇をペロッとナメる蒼空に、あたしは口をパクパクさせて顔を赤める。
「バカはそっちだ!!//
このエロ男ッッ!!」
やっと口から出た言葉を言い残して、あたしは逃げるように病室から飛び出た。
その後に、みんなに顔が赤い、とツッコまれたのは言うまでもない。