蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「じゃ、全員集まったし…撮ろうか!」
あたしはそう言った大嶋くんの言葉に、コクンと頷き、鞄から携帯を取り出す。
そして、携帯を、海と町とを繋ぐ石の階段の上に、セットした。
「ほらっ、美紗早く!」
あたしは慌てて、まどかたちの方へと急ぐ。
そして、携帯に向かってピースをする。
――3 2 1…カシャッ
それから、もう一度携帯に近づき、画面を覗くと……。
「うん! いい感じじゃない?」
斗真と大嶋くん、そしてその前でまどかとあたしが、最高の笑顔でピースを向けている。
その後ろには、キラキラと光る蒼い海と、晴れ渡った空がある。
「うん! これでいいやん!!」
「めっちゃいいじゃん!!」
「お~!! ホントだ!」
「じゃ、これに決定~っ!!
で、大嶋くんから書いて!!」
そう言って、あたしは大嶋くんに携帯を手渡した。
そして、斗真、まどか、最後にあたしの元へと携帯は返ってきた。
携帯を手にしたあたしは、馴れた手つきでボタンを打つ。
「じゃ、送信~っ!!」
あたしは、蒼く晴れ渡った空に昇る太陽に、携帯をかざした。