蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「――――…で、この公式を――…」
授業に集中できるはずもなく、ただ時間が時間が早く過ぎることを願うあたし。
早く学校を終わらして、蒼空のところに行きたい――…。
だけど、そう願うほど時間がゆっくりと流れるように感じて。
午前11時25分。
まだ、あと3限も残っている。
蒼空…もう手術、始まってるよね…。
落ち着きなく、そわそわしながら窓の外に目をやる。
すると、あたしは目を見開く。
朝まで蒼く晴れ渡っていた空は、分厚く黒い雲に隠されていた。
なぜだか、わからないけど…
一気に不安が押し寄せる。