蒼空~キミの名前を呼ぶ~
そして、ポツポツと雨が降り始め…
段々と激しさが増す。
「雨…結構、降ってきたね」
「うわっ! オレ、傘持ってきてねぇよー」
教室に飛び交う言葉にあたしは、ビクリと肩を震わせる。
雨が降ったくらい…。
大丈夫…大丈夫。
蒼空の手術とは…何の関係もないじゃない。
だけど…やっぱり
「先生ッ!!
あたし、しんどいので早退します…ッ!!」
「美紗!?」
そう言ってあたしは鞄を持ち、まどかの声にも反応せず教室から飛び出た。
なんだろう…
この胸騒ぎは。
早く…早く、蒼空のところへ行かなきゃ…っ!!