蒼空~キミの名前を呼ぶ~
タッタッタ…
階段をかけ降りて、一階の下駄箱まで急ぐ。
「美紗っ」
靴を手に取った瞬間に、左肩に手をポンッと置かれ、あたしはビクッと後ろを振り返る。
そこに、立っていたのは…
ニッコリ微笑んだまどかと、息を切らした斗真と大嶋くん。
「どしたの…授業は…?」
あたしは、靴を片手に呆然としながら口を開く。
「あたし、腹痛~♪」
そう言いながら、まどかはあたしの横を通り抜けて、自分の靴を手にした。
「オレたちは、頭痛~♪
なっ、燐!」
「おう!!」
ふたりも、ただ突っ立っているあたしの横を通り抜け、自分の靴に手をかける。