蒼空~キミの名前を呼ぶ~
状況がよくわからなくて、その場に立ちすくむあたしに、まどかがニコッと微笑みかけた。
「高野くんとこ…行くんやろ?」
「え…」
「いや…、オレも雨降ってきた瞬間に
なんか…胸騒ぎってか…」
そう言って、大嶋くんは顔を曇らせた。
「じゃ、急ごうぜ」
斗真も、いつになく真剣な表情だ。
みんな…
同じことを思ってたんだ…。
なんだか、心強い…。
でも、
「明日、怒られること決定だね」
あたしは、ふふっと笑みを溢す。
「やな!
明日、高野くんも一緒に
五人でみっちり怒られようかっ」
“明日、高野くんも一緒に”
ニヤッと笑うまどかの言葉を合図にあたしたちは、雨の中へと走り出した。