蒼空~キミの名前を呼ぶ~
手紙
病院に着くと、たくさんの人からの視線が突き刺さる。
なんたって、学校で授業を受けているはずの高校生が四人も、制服をびしょ濡れにさせて病院を歩き回っているのだから。
だけど、今はそんな視線を気にしている場合じゃない。
「おじさんたち…どこにいるのかな…」
病院だから、きっと電池を切っているのだろう。
何度かけても、繋がらない。
やっぱり、看護婦さんに聞いた方が…
「美紗ちゃん…!?」
聞き覚えのある声で、背後から呼ばれたあたしの名前。
あたしは、とっさに振り返る。
「菜緒さん…!!」
あたしは、その姿を見てホッとする。
だけど、菜緒さんは状況がよく理解できていないようで。
「美紗ちゃん、学校は!?
ていうか、その格好どうしたの!?
あれ!? この子たち、誰!?」
「菜緒さん、落ち着いて下さい!
説明…しますから」
あたしたちは、菜緒さんに落ち着いてもらってから、状況を説明した。