蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「神様って、いるのかな――…ッ?
もう…周りで
大切な人が、いなくなっていくのなんか…
見たくないよッ……」
「菜緒さん…」
自分の周りで大切な人たちが、いなくなっていくという恐怖。
“死”に怯えるその背中は、
幼い子供の背中のように見えた。
「…ッごめんね、取り乱しちゃって…
蒼空のとこ…行こっか」
そう言って歩き出した菜緒さんの小さな背中。
あたしたちは、ただ頷くことしかできず、黙ってその背中に着いていった。