蒼空~キミの名前を呼ぶ~
スカイブルーの紙にあたしの涙が、一粒…二粒…と溢れ落ちて、スカイブルーを濃い蒼へと色を変えさせた。
「…ック…ヒック…ッ」
「美紗…」
まどかがあたしの背中を優しく擦りながら、顔を覗き込む。
その瞳にも、うっすらと涙が浮かんでいる。
「どこに…ッ、
笑える要素があるのよぉ…ッ!?」
こんなの…全然、笑えない。
あたしが蒼空の初恋だなんて、知らなかった。
手術が終わってから、直接…蒼空の口で言ってよ…?
やりたいことって…、普通に出来ることばっかりじゃない。
手術が終わってから、全部しようよ…?
ねぇ、蒼空…。
あなたを忘れるなんて、何が起こっても無理だよ…?
あたしを幸せに出来るのは、蒼空だけって…
言ったでしょう?
蒼空以外の人と幸せになんて…
無理だよ…ッ?
ねぇ…、
どうしてこんなモノ…書いたの?
「こんなモノ…
破り捨ててやりたい…ッ」
だけど、
それが出来ないあたしって…
何なのかな…
哀しみと怒りとが入り雑じって、
頭の中は、ぐちゃぐちゃで。
蒼が霞んで見えた――…。