蒼空~キミの名前を呼ぶ~




あたしが少し落ち着くと、冷たい廊下はシーン…と静まり返った。


誰一人と、言葉を発する人はいなくて。





ただ、みんな…祈った。

祈ることしか出来なくて。



愛しいあの人が、笑顔をまた咲かせてくれるように。



もう一度…って。





神様、

あの人は…蒼空は、


こんなにも愛されています。



愛を与えてくれています。






どうか…どうか、


蒼空を

あたしたちから、奪わないで下さい――。








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