蒼空~キミの名前を呼ぶ~
どれほどの時間が経っただろう。
あたしの手の内で、少しシワが出来たスカイブルー。
誰一人と話さない廊下。
みんな、視線は
真っ赤なランプに集中していて。
「――…ッ!!」
たくさんの視線に耐えられなくなったのか、
ランプは赤を失った。
そして、
今まで閉ざされていたドアが、
蒼空との壁が…
あたしたちの瞳を吸い込むように…
開いた――――…。
「蒼空――…ッッ!!」
冷たい廊下から、沈黙が消えた――。