蒼空~キミの名前を呼ぶ~
歩みを進めながらも、あたしは自分の手の中にあるものに目をやった。
よれよれにシワが出来た、
スカイブルーの紙――。
あたしは、瞳に少し涙を浮かべ、薄く微笑んだ。
そして、すぐに自分の腕で涙を拭った。
「もう…
持ってたって、意味ないよね」
その場に立ち止まり、
ギュッとスカイブルーを自分の胸に押しあてて、目を閉じた。
「…うん」
そう呟いたあたしは、目をゆっくりと開いて、もう一度歩き出した。