蒼空~キミの名前を呼ぶ~
長い階段をゆっくりと降りて、
海辺に出る。
空に負けないくらい蒼く澄み渡っている。
夏休みということもあり、海にはいつもよりたくさんの人で賑わっている。
だけど、行き先はここじゃない。
「あそこは…もっと綺麗なんだろうな」
あたしは、サラサラの砂浜を歩き、奥へ奥へと人気のない方へと進む。
サラサラだった砂浜は、段々と岩場になっていく。
そして、ピタリとあたしの歩む足が止まった。
あお、蒼、蒼――…。
上には蒼い空、下には蒼い海。
空に浮かぶ入道雲が蒼を更に、映えさせる。
海は水面が、太陽の光で反射して宝石を散りばめたよう。
蒼空とあたしの約束の場所―――…。