蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「やっぱり、ここの方が綺麗…」
波の打つ音と、あたしの声。
それだけが、響く。
あたしは、岩場の端に立った。
そして腕を胸の前に伸ばし、
スカイブルーの紙の両端を両手で摘まんだ。
ふぅ…と息を吐く。
ギュッと力を入れると、スカイブルーの真ん中がビリッと少し破れた。
そこで一瞬力を弱める。
目を瞑って、もう一度力を入れようとした時だった――。
「何してんの?」
背後からの低い声が、あたしの耳に響いた。