蒼空~キミの名前を呼ぶ~
少し離れた場所で、微笑んだ蒼空。
あたしは、ビリビリッとスカイブルーに力を入れた。
そして、スカイブルーは蒼い海へと吸い込まれた。
「あーあ…
あれ、一生懸命書いたんだけど?」
蒼空が口を尖らす。
「なに言ってんの!
あんな、ふざけた手紙書いてっ!!」
「だから、悪かったって」
全然、反省してなさそうな顔をして蒼空が謝る。
――あの日、蒼空は無事だった。
何日も目を覚まさなくて、心配もしたけれど、
今ではもうスッカリ元気だ。
「大体ね!
あれは、もう必要ないって言ってるでしょ?
だって、あんな紙無くたって…
今から、全部出来るんだから――!!
あたしが蒼空の夢、叶えてあげるっ!!」