蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「あ!」
元来た道をゆっくりと帰りながら、あたしはスカイブルーに綴られた言葉たちを思い出す。
急に大きな声を出したあたしに、蒼空は目を向ける。
「ねぇ、蒼空っ!!
ここで、ちゃんと好きって
言ってくれるんでしょっ?」
あたしが笑顔を向けると、
蒼空は手の空いている左手で真っ赤な顔を覆った。
「それ、
言えって言われて、言うもんかよ…?」
「言うって、書いてたっ!!」
あたしは、期待の眼差しを蒼空に向ける。
「……いま?」
「いま!!」
「……」
ピタリと蒼空の足が止まる。