蒼空~キミの名前を呼ぶ~
諦めないから
「………。」
「………。」
ほんと、増ちんありえないっ!
あ、増ちんって増田先生のことね。
この状況はどういうことよっ!?
数時間前…
「おーい、高野と沢渡ちょっと来ーい!」
「なんですかー?」
蒼空と呼ばれるなんてさ…。
「自己紹介ならしませんよ?」
「あぁ、自己紹介は諦めた!
だけど、中庭の草が生えっぱなしなんだよなぁ~…。」
え…、それって…。
「中庭の草抜き頼むわ!」
はぁあー!?
やだ!草抜きとか超ダルい!
しかも、蒼空と2人きりとか気まずすぎる!
だったら、自己紹介やり直す方が全然いいし!
「「自己紹介やり直させていただきマス!」」
蒼空も同じことを考えていたのか、
ぴったりハモってしまった…。
だが、増ちんはニタリと笑って言った…。
「ムリするなって。な?
自己紹介なんかしなくていいさ!
先生は優しいからなぁー!」
くっそぉー!
増ちんのバカヤロー!
鬼!
こんのサド教師!
と、言うワケで
こんな気まずい状況……。
さっきからお互い無言…。