蒼空~キミの名前を呼ぶ~
≪斗真side≫
気づいたら、あんな声を出していた。
ちょっと…、いや
自分でも相当驚いた。
オレは面倒なことが嫌い。
このキャラは楽だ。
最初は、まだ自分の中に自分があった。
だけど、いつの間にか
このチャラチャラしたキャラは
この性格は本当のオレの性格なんじゃないか、
と思うほどオレに張りついていた。
もう、本当の自分は
どんなのだったかなんて覚えてない。
そんなときに、美紗ちゃんを
怒らせてしまった。
泣かせてしまった…。
みんなに注目されて、
小さく震えている美紗ちゃんを見て
オレが守りたいと思った。
でも、だからって…
あの言い訳はなかったよなぁ…。
言った後に、
こんな理由通じるかボケ!
と自分で自分にキレるくらいの
無理矢理な言い訳だった…。
な の に !!
通じた!?
うそだろ!?
オレはオレに助けられた。
ハハハ、なんだか複雑だなぁ~…。