蒼空~キミの名前を呼ぶ~
あー!と、
ムシャクシャしていると
燐がオレの方に近づいてきた。
「…んだよ。」
「いいのかよ、放っておいて。」
「…別に、美紗とオレは関係ねぇし。」
「蒼空…。」
オレには関係ないんだよ…っ!!
「オレ、一言も『美紗ちゃん』なんか
言ってないけど?」
にこっと爽やかな笑顔を向ける燐。
「………。」
顔が赤くなるのが自分でもわかる。
「あはは、蒼空可愛いー!
何だかんだ言ってやっぱり気になるんだろ?」
「うっせぇ!
黙れ、バカ燐!!」
死ぬほどハズい……!!
一生の不覚だ…。
落ち込んでるオレを見て、
燐が爆笑しているときだった。
教室中に美紗の怒鳴り声が響いた。
「蒼空のこと悪く言ったら許さない…ッ!」
……確かにオレには聞き取れたんだ。