蒼空~キミの名前を呼ぶ~
周りには『そら』だけしか、
聞こえていなかったみたいで
美紗には質問の嵐だった。
昔から美紗は
注目さるるのが苦手だ。
なのに、あんなに注目されたら……。
……ほら、怯えてるじゃねぇか…。
でもオレは美紗を助けようとはしなかった。
だって、オレには関係ないから…。
そんな時、
いつもオレに話しかけてくる
女子のグループがコソコソと話始めた。
「沢渡さんも、やっぱり高野くんのこと
狙ってたんじゃん…!」
「気のないフリしてさぁ…」
「ヤバくない?
沢渡さんが高野くんのこと本気で
狙ってきたら、勝ち目なくない?」
…て、おい!
聞こえてるんですけど~…!
これ、オレが聞いていいワケ?
「だったらさ…」
オレが聞いてるとも知らない女子たちは、
意味のわからないことを言い出した。
「沢渡さん、潰しちゃえばいいじゃん…?」