蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「そ…蒼空っ!!」
下校しようとした時、透き通ったソプラノの声が背後からオレの名前を呼んだ。
あぁ、振り返らなくたってわかる。
オレの好きな声……。
「何? 美紗……。」
後ろを振り返ると、頬をピンクに染めた美紗が立っていた。
「ふぇ!? あ…! えっと…」
「…用がないなら、帰るけど」
オレは校門に向かって歩き出した。
「あ、あのっ! 一緒に帰らない…っ?」
背後から聞こえたソプラノの声。
オレはこのとき、どうしていたらよかったのだろう……?
≪蒼空side、終≫