シンアイ
究極の選択を迫られた私は頭を抱えて思いっきり後ろに仰け反った。真後ろが壁だということを忘れて。
ゴンッという音とともに後頭部に鈍い痛みが襲う。
「痛っ!」
思わず後頭部を押さえてうずくまる。あまりの痛さに涙が滲む。
「誰だ!」
資料室の中から男の声が聞こえてきた。
どうしよう。
逃げる!……わけにもいかないし。
堂々と扉を開ける……なんてできるわけない。
もうこうなったら、覚悟を決めてやるしかない!
そう決心して、扉の向こうに話しかけた。
「あ、あのー、邪魔するつもりはなかったんですが、次の授業で使う資料を、取りたいんですが……」
最後の方は中に聞こえないんじゃないかってくらい小さくなってしまった。
すると中からパタパタと走る音が聞こえてきて、目の前の扉が勢いよく開いた。それと同時に女生徒が飛び出してきて、すれ違いざまに睨まれた。
「えっ!今の……」
彼女は同じクラスの高城瑠璃(タカジョウルリ)だった。校内で最も目立つ美形三人組の一人。
その高城さんが出てきたってことは、中にいるのは御園藤(ミソノフジ)か。婚約者なんだから家でイチャイチャしてくださいよ、もう。
なんの疑いもなく資料室に足を踏みいれた。
「……え?なんで?」
資料室の中にいたのは、予想外の人物だった。
ゴンッという音とともに後頭部に鈍い痛みが襲う。
「痛っ!」
思わず後頭部を押さえてうずくまる。あまりの痛さに涙が滲む。
「誰だ!」
資料室の中から男の声が聞こえてきた。
どうしよう。
逃げる!……わけにもいかないし。
堂々と扉を開ける……なんてできるわけない。
もうこうなったら、覚悟を決めてやるしかない!
そう決心して、扉の向こうに話しかけた。
「あ、あのー、邪魔するつもりはなかったんですが、次の授業で使う資料を、取りたいんですが……」
最後の方は中に聞こえないんじゃないかってくらい小さくなってしまった。
すると中からパタパタと走る音が聞こえてきて、目の前の扉が勢いよく開いた。それと同時に女生徒が飛び出してきて、すれ違いざまに睨まれた。
「えっ!今の……」
彼女は同じクラスの高城瑠璃(タカジョウルリ)だった。校内で最も目立つ美形三人組の一人。
その高城さんが出てきたってことは、中にいるのは御園藤(ミソノフジ)か。婚約者なんだから家でイチャイチャしてくださいよ、もう。
なんの疑いもなく資料室に足を踏みいれた。
「……え?なんで?」
資料室の中にいたのは、予想外の人物だった。