シンアイ
そこにいたのは高城瑠璃の婚約者である御園藤ではなかった。
同じ御園だけど弟の方、御園蘇芳(ミソノスオウ)が壁に背を預け、睨むような視線を送っていた。
えっ、ちょっと待って。
これどういうこと?
あの怪しげな会話は高城瑠璃と御園藤のやり取りじゃなくて、高城瑠璃と御園蘇芳!?
なんで婚約者じゃなくて、その弟といかがわしい会話してるの!?
情報が処理しきれなくてその場で固まってしまった。
「資料、取りに来たんでしょ?」
御園蘇芳が不機嫌そうに声を掛けてきた。
「えっ、あ、はい」
「昼休み終わっちゃうよ」
そう言われてやっと自分の使命を思い出した。
妙なこと考えてる場合じゃなかった。早く頼まれた資料を探して戻らないと。一刻も早くこの場を離れたい!
えーっと、頼まれてた資料は……。
無いなー、どこだろう……。
……。
…………。
……何で出ていかないんだろう。
もう資料室に用はないはずなのに何で御園蘇芳はまだいるの!?
しかも見られている気がする。自意識過剰!?いやいや、絶対見られてるって!突き刺さるような視線を感じるもん!
「なあ」
「ひゃっ!?」
急に耳元で囁かれた。
ビックリして振り向くと、目の前に御園蘇芳の姿があった。あまりの近さに驚いて離れようとしたら両サイドを腕で塞がれた。
に、逃げられない!
「同じクラスの、ウサギさんだっけ?」
「う、ウサギじゃなくて卯崎(ウサキ)です……」
顔が近い!
何故か至近距離にある御園蘇芳の顔から目を逸らしつつ名前を訂正する。
「どっちでもいいよ、ウサギちゃん」
さらに顔が近付いてきているような気がするんですが気のせいですか!?
「ね、目閉じて」
吐息がかかりそうな距離でまた囁かれる。
もう何が何だかわからなくなってきた。このまま目を瞑ってしまえば……。
同じ御園だけど弟の方、御園蘇芳(ミソノスオウ)が壁に背を預け、睨むような視線を送っていた。
えっ、ちょっと待って。
これどういうこと?
あの怪しげな会話は高城瑠璃と御園藤のやり取りじゃなくて、高城瑠璃と御園蘇芳!?
なんで婚約者じゃなくて、その弟といかがわしい会話してるの!?
情報が処理しきれなくてその場で固まってしまった。
「資料、取りに来たんでしょ?」
御園蘇芳が不機嫌そうに声を掛けてきた。
「えっ、あ、はい」
「昼休み終わっちゃうよ」
そう言われてやっと自分の使命を思い出した。
妙なこと考えてる場合じゃなかった。早く頼まれた資料を探して戻らないと。一刻も早くこの場を離れたい!
えーっと、頼まれてた資料は……。
無いなー、どこだろう……。
……。
…………。
……何で出ていかないんだろう。
もう資料室に用はないはずなのに何で御園蘇芳はまだいるの!?
しかも見られている気がする。自意識過剰!?いやいや、絶対見られてるって!突き刺さるような視線を感じるもん!
「なあ」
「ひゃっ!?」
急に耳元で囁かれた。
ビックリして振り向くと、目の前に御園蘇芳の姿があった。あまりの近さに驚いて離れようとしたら両サイドを腕で塞がれた。
に、逃げられない!
「同じクラスの、ウサギさんだっけ?」
「う、ウサギじゃなくて卯崎(ウサキ)です……」
顔が近い!
何故か至近距離にある御園蘇芳の顔から目を逸らしつつ名前を訂正する。
「どっちでもいいよ、ウサギちゃん」
さらに顔が近付いてきているような気がするんですが気のせいですか!?
「ね、目閉じて」
吐息がかかりそうな距離でまた囁かれる。
もう何が何だかわからなくなってきた。このまま目を瞑ってしまえば……。