風に恋して
「んっ……」

次の瞬間、レオはリアの唇を塞いでいた。

抗えない。ずっと求めていた、その温もりがようやく自分の元に帰ってきたような錯覚。違う、リアは混乱しているだけだ、と……そんな理性の炎も、口付けの合間に漏れるリアの熱い吐息に吹き消されるように、薄れていった。

「はっ、ん……」

何度も角度を変えて、舌を絡めて、時折リアの甘い声が2人の唇の隙間から零れて。

ベッドが微かに軋んで2人分の重みを支える。

「リア……」

レオの掠れた声。そっと、指先で頬をなぞれば、リアがはぁっと熱のこもった吐息をこぼす。レオを見つめるその瞳には、確かに情熱が映っている。

これ以上、進んでしまったら……止められないのに。

(っ、ダメだ……)

レオはベッドに腕を突っ張って目を瞑った。

ここで、踏みとどまらなくてはいけない。待つと、決めたではないか。どんなに時間がかかっても、少しずつ、歩み寄ると決めたのはレオだ。

だが……
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