風に恋して
……スッと、熱が離れていく。

「や……行かな、いで……」

急に心細さに襲われて、リアはレオの腕を掴む。

(熱い……)

それは、副作用でまだ下がらない熱なのか、それともレオの情熱に共鳴する自分の心なのか……

熱くて、自分のものではないように甘く疼く身体に戸惑う。触れられるのは自分がおかしくなってしまいそうで怖いのに、離れたくない。

矛盾している……

「行かないから」

レオはそっと額にキスを落として、リアの隣に身体を滑り込ませて抱きしめてくれた。

「このまま、おやすみ」
「ん……」

その温もりに包まれて、リアは目を閉じた。

何も考えたくない。このまま、レオの腕の中で眠りたい。

今だけは……
< 116 / 344 >

この作品をシェア

pagetop