風に恋して

交流会

――風が、吹いている。

誰かが、笑っている。

リアは誘われるようにまぶたをゆっくり開けた。

いつもと変わらない部屋。

(夢?)

それにしてはリアルな感覚だった。声がすぐ近くで聴こえて……楽しそうな、笑い声。

「リア、やっと起きたのか」
「え……?」

その声に、顔を上げるとレオが心配そうにリアを覗き込んでいた。

ハッとして枕元を見ると、開いたままの本が無造作に置かれている。また読書の途中で眠ってしまったようだ。

「あ、ごめんなさい……」
「いや、構わないが、お前やはり体調が――」

レオの言葉にリアは首を横に振る。

体調が悪いわけではない……と思う。ただ、とても眠いのだ。

「でも、ずっと微熱が続いているだろ?」

そう言って、レオがリアの頬に触れる。
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