風に恋して
――身体が、熱い。

レオから絶え間なく与えられる熱で、全身が燃えるようだ。

必死に耐えようとしても、自分の口から零れていく音と吐息。それを止めようとして、とっくに解かれて自由になった手を口に当てても、レオの唇が、指が、彼のすべてがそれを許してはくれない。

肩を抱かれ、隙間のないほどに重なった肌。

耳元でレオが息を吐くたびに震える心、大きな手のひらで肌をなぞられれば背中が反って……声が漏れる。

シーツを握っても逃れることのできないその行為の果てを、どこか期待している自分を否定できない。

(どうして……)

リアは朦朧とする意識の中、問いかけ続ける。

なぜ自分はレオの熱を欲しているのか。どうして、レオはこんなにも優しく触れてくるのか。

また……強引だったのは最初だけ。それからは、リアが抵抗といえるそれをしないだけで。

「――っ」

リアの頬に涙が伝い、レオの熱に応えるのとは違う“音”が漏れた。レオが動きを止める。
< 17 / 344 >

この作品をシェア

pagetop