風に恋して
レオが部屋を出て行って、カタリナが今日のために用意してあったドレスやアクセサリーを並べ始める。

カタリナの後ろから入ってきた何人かの侍女が、それらをリアに身につけて髪型や化粧を整えて。

1時間後、淡い水色のドレスを纏った“ヴィエントの王妃”がそこにいた。

左の胸元には水色のバラ飾り、胸下の切り替え部分は白いリボンでスカートはレースやシフォンがふんだんに使われたプリンセスライン。

トルソーからスカートへと広がる部分は右側が長く、ドレープを寄せ、裾には白いレースでアクセントがついている。そこから下はレースやシフォンがふんわりと重なってボリュームたっぷり。

ふんわりと巻かれた髪を緩く結い上げ、輝くティアラをつけるとカタリナはほうっと息を吐いた。

「お綺麗ですわ、リア様」

カタリナにニッコリと笑いかけられて、リアは困ったような表情になった。

「あ、あの……」

スカートはボリュームがあって可愛いが、その分上半身のラインが強調されているような気がして恥ずかしい。

「リア様はスタイルがよろしいのですから、恥ずかしがることはないですわ」
「そ、う……ですか」

リアの言いたいことを察してカタリナが言う。どちらにせよ、もうドレスを着替える時間もない。

「さぁ、参りましょう?レオ様もお待ちです。きっと今夜は素晴らしいパーティになりますわ」
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