風に恋して
美しい花の棘
リアはテラスに出て、ぼんやりとここに来る前にもらってきた水の入ったグラスを見つめていた。
月明かりに照らされて、ゆらゆらとグラスの向こう側が揺らめいて見える。
リアはそれを一口飲んで、ホッと息を吐いた。外は優しい風が吹いていて、気分も大分落ち着いてきた。レオも心配していたし、そろそろ戻ったほうがいいかもしれない。
そう思って振り返ると、ちょうど1人の男性がテラスへのガラス戸を開けて外にでてくるところだった。
「やぁ、リアじゃない。こんなところでどうしたの?レオは?」
彼もリアに気づいて、近づいてくる。
ユベール王子――ルミエール王国の第一王子だ。先ほどレオと挨拶の対応をしたから顔と名前は一致するが、少しまずい。
レオが少し教えてくれた話では、彼とはそれなりに関わりがあったらしいから、不用意に会話してしまえばリアの様子がおかしいことに気づかれてしまうだろう。
「少し、外の空気を……今、戻るところでした」
「病みあがりだしね。大丈夫?」
「はい。ありがとうございます。では、失礼します」
リアは軽く頭を下げてガラス戸へと歩を進めた。
月明かりに照らされて、ゆらゆらとグラスの向こう側が揺らめいて見える。
リアはそれを一口飲んで、ホッと息を吐いた。外は優しい風が吹いていて、気分も大分落ち着いてきた。レオも心配していたし、そろそろ戻ったほうがいいかもしれない。
そう思って振り返ると、ちょうど1人の男性がテラスへのガラス戸を開けて外にでてくるところだった。
「やぁ、リアじゃない。こんなところでどうしたの?レオは?」
彼もリアに気づいて、近づいてくる。
ユベール王子――ルミエール王国の第一王子だ。先ほどレオと挨拶の対応をしたから顔と名前は一致するが、少しまずい。
レオが少し教えてくれた話では、彼とはそれなりに関わりがあったらしいから、不用意に会話してしまえばリアの様子がおかしいことに気づかれてしまうだろう。
「少し、外の空気を……今、戻るところでした」
「病みあがりだしね。大丈夫?」
「はい。ありがとうございます。では、失礼します」
リアは軽く頭を下げてガラス戸へと歩を進めた。