風に恋して
『ぱー!』
「――っ!?」

急に響いた声に、リアはバッと起き上がった。

「リア?どうした?」
「え……?」

声のした方に顔を向けると、レオが扉に手を掛けたままリアを見つめていた。部屋に入ったところで、突然飛び起きたリアに驚いたようだ。

どうやら少し眠っていたらしい。

「声が……」
「声?夢でも見たのか?」
「ゆ、め……?」

レオには聞こえていなかったらしい。また、夢だったのだろうか。

それにしては、身体に直接響くようなハッキリとした声だった気がするのだけれど。

「まだ微熱だな」

近づいてきたレオがリアの額に手を当てて言う。リアはぼんやりとレオの顔を見つめた。

「どうした?」

じっと見つめるリアに、レオは優しく微笑んでくれた。

「お仕事に、行っていたのですか?」
「あぁ……悪い。マーレ国王が来ていたから、少し対応しなくてはいけなかった」
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