風に恋して
早朝であるため、城の廊下にはまだ誰もいない。シンと静まり返った広い空間は、少し不気味な感じがした。
風の吹くまま歩いていく。そしてリアがやってきたのは、一枚の扉の前。
「こ、こ……?」
『うー!』
入れ、ということらしいが……
(ここはダメだよ)
城の一番上、重厚な扉の奥は、レオの寝室だ。いくらリアがレオの婚約者だからといって、本人の許可もなく入ることは憚られるし、鍵がかかっているはずだ。
『んーあ!』
ガチャリ、と。扉が少しだけ開く。
「え……わっ!?」
そして強めの風がリアの背中を押し、リアは部屋の中へと入った。その後ろで扉が閉まり、鍵がかかった音がする。
「……ダメ、って言ったでしょう?」
リアは怒って振り返り、扉に手を掛ける。
けれど……
開かない。鍵を力いっぱい回しても、ビクともしないのだ。
「もう!いたずらしないで」
『きゃはっ、んー』
リアが少し強く言っても、その子は満足したように笑い、リアを更に奥へと誘った。
風の吹くまま歩いていく。そしてリアがやってきたのは、一枚の扉の前。
「こ、こ……?」
『うー!』
入れ、ということらしいが……
(ここはダメだよ)
城の一番上、重厚な扉の奥は、レオの寝室だ。いくらリアがレオの婚約者だからといって、本人の許可もなく入ることは憚られるし、鍵がかかっているはずだ。
『んーあ!』
ガチャリ、と。扉が少しだけ開く。
「え……わっ!?」
そして強めの風がリアの背中を押し、リアは部屋の中へと入った。その後ろで扉が閉まり、鍵がかかった音がする。
「……ダメ、って言ったでしょう?」
リアは怒って振り返り、扉に手を掛ける。
けれど……
開かない。鍵を力いっぱい回しても、ビクともしないのだ。
「もう!いたずらしないで」
『きゃはっ、んー』
リアが少し強く言っても、その子は満足したように笑い、リアを更に奥へと誘った。