風に恋して
「あの花には何の呪文を?」
何かまたうまく仕掛けをして、リアに勘付かせないようになっていたのだ。そう思って問いかけたのだが、エンツォはフンと鼻で笑った。
「呪文じゃないよ」
それを聞いたときのリアの困惑した表情が面白かったのか、エンツォはまた笑う。
「品種改良だよ。綺麗だっただろう?苦労したけど、マルディーレとオーメンタールは色も綺麗に混ざってくれた」
「だから……見たことのない花だったの」
新種の花というのはあながち間違いではない。観賞用に作られたものではないけれど。
マルディーレ――呪いの花。その鮮やかな赤い色はとても美しく人目を引くが、毒を持っており危険な花だ。特に、呪いに反応してその力を増幅させる。
オーメンタールは効果を高めるための白い花をつける薬草。クラドールがトラッタメントを施す際によく使われる。
呪文はかかっていない。元々リアにかかっていた侵食の呪いに反応したマルディーレとその効果を更に高めるオーメンタール。
品種改良で形も色も全く別のものになっていたから気づけなかったのだ。
何かまたうまく仕掛けをして、リアに勘付かせないようになっていたのだ。そう思って問いかけたのだが、エンツォはフンと鼻で笑った。
「呪文じゃないよ」
それを聞いたときのリアの困惑した表情が面白かったのか、エンツォはまた笑う。
「品種改良だよ。綺麗だっただろう?苦労したけど、マルディーレとオーメンタールは色も綺麗に混ざってくれた」
「だから……見たことのない花だったの」
新種の花というのはあながち間違いではない。観賞用に作られたものではないけれど。
マルディーレ――呪いの花。その鮮やかな赤い色はとても美しく人目を引くが、毒を持っており危険な花だ。特に、呪いに反応してその力を増幅させる。
オーメンタールは効果を高めるための白い花をつける薬草。クラドールがトラッタメントを施す際によく使われる。
呪文はかかっていない。元々リアにかかっていた侵食の呪いに反応したマルディーレとその効果を更に高めるオーメンタール。
品種改良で形も色も全く別のものになっていたから気づけなかったのだ。