風に恋して
「違う!オビディオ様はヒメナ様を見捨ててなんていない。2人は愛し合っていたのよ」
だからこそ、マリナは心を痛めて2人を結びつけた。でも、それは……未来に、エンツォの心に、影を落としてしまうことになってしまって。
リアは唇を噛んだ。どうしたら、エンツォは救われるのだろう。
「愛し合っていた?でたらめを言うな!」
エンツォが叫ぶ。瞳に映るのは、憎しみ、と呼ぶその感情。
「ならばどうして他の男の元へ行かせた?あいつが母さんを捨てたからだろ!だから母さんは……っ!」
一瞬だった。リアの目の前にエンツォが立ち、思い切り首を掴まれる。
「っ、ぐ……」
「いいよ、リア。どうせ最後だし、君には見せてあげるよ」
エンツォが小さく呪文を呟き、風の渦が彼の口内に渦巻いていく。
そして――
「んんっ!」
それを口移しで体内に入れられる。身体の中がゾワリと粟立って、気持ち悪い。風が全身を駆け巡って、脳を揺らすように吹き付けた。その波のような振動と共に、流れ込んでくる映像と音。
エンツォの、悲しい記憶――
だからこそ、マリナは心を痛めて2人を結びつけた。でも、それは……未来に、エンツォの心に、影を落としてしまうことになってしまって。
リアは唇を噛んだ。どうしたら、エンツォは救われるのだろう。
「愛し合っていた?でたらめを言うな!」
エンツォが叫ぶ。瞳に映るのは、憎しみ、と呼ぶその感情。
「ならばどうして他の男の元へ行かせた?あいつが母さんを捨てたからだろ!だから母さんは……っ!」
一瞬だった。リアの目の前にエンツォが立ち、思い切り首を掴まれる。
「っ、ぐ……」
「いいよ、リア。どうせ最後だし、君には見せてあげるよ」
エンツォが小さく呪文を呟き、風の渦が彼の口内に渦巻いていく。
そして――
「んんっ!」
それを口移しで体内に入れられる。身体の中がゾワリと粟立って、気持ち悪い。風が全身を駆け巡って、脳を揺らすように吹き付けた。その波のような振動と共に、流れ込んでくる映像と音。
エンツォの、悲しい記憶――