風に恋して
「いいことを教えてあげるよ、リア。1年かけて君の記憶を確実に偽物へと入れ替えていたときに気づいたことだ」
(私の、記憶?)
水のベールを支えながらレオとエンツォが剣を交える様子を視界の隅に捕らえていたリアは、聞こえてきた自分の名にピクリと反応する。
「1つ面白いものがあった。君が“赤い瞳”で人を殺めたときの、ね」
“人を殺めた”
ドクン、と心臓が騒ぎ出す。全身の毛穴から汗が吹き出すような感覚。
リアが人を殺めた――?
「リア様、いけません!」
「え――」
ザッと水のベールが崩れてエンツォの風がリアとセストを吹き飛ばす。
「ぐっ、げほっ、くふっ」
「うっ」
壁際まで飛ばされた2人。水を飲み込んでしまったリアが咳き込み、セストもうめき声をあげる。
「セストさん!」
咄嗟にリアを庇ったセストは背中に竜巻が直撃し、かなりの傷を負っていた。リアはすぐにセストの背中に手を当ててトラッタメントを施していく。すぐに血は止まったが、頭を打ったのかセストは意識がないようだ。
(私の、記憶?)
水のベールを支えながらレオとエンツォが剣を交える様子を視界の隅に捕らえていたリアは、聞こえてきた自分の名にピクリと反応する。
「1つ面白いものがあった。君が“赤い瞳”で人を殺めたときの、ね」
“人を殺めた”
ドクン、と心臓が騒ぎ出す。全身の毛穴から汗が吹き出すような感覚。
リアが人を殺めた――?
「リア様、いけません!」
「え――」
ザッと水のベールが崩れてエンツォの風がリアとセストを吹き飛ばす。
「ぐっ、げほっ、くふっ」
「うっ」
壁際まで飛ばされた2人。水を飲み込んでしまったリアが咳き込み、セストもうめき声をあげる。
「セストさん!」
咄嗟にリアを庇ったセストは背中に竜巻が直撃し、かなりの傷を負っていた。リアはすぐにセストの背中に手を当ててトラッタメントを施していく。すぐに血は止まったが、頭を打ったのかセストは意識がないようだ。