風に恋して
――レオがリアの髪をそっと梳いている。

ぼんやりとまだ浮上途中の意識でそれを感じて重いまぶたをゆっくり上げていく。

「悪い……起こしたな」
「ん、平気」

リアはもぞもぞと身体を動かしてシーツの中でレオにくっついた。触れ合う素肌が気持ちよい。

「寒くないか?」
「うん。あったかいよ」

もう1度、目を瞑ればレオの鼓動の音がよく聴こえた。

「ん……くすぐったい、レオ」

レオの手がリアの身体をなぞり始めて、リアは身体を捩った。

「お前がくっつくからだろ」

レオがクスッと笑ってリアの耳元に唇を寄せた。熱い吐息が昨夜を思い出させて、リアの身体が熱くなる。

「ちょ、ちょっと待って……もう、だめだよ?ルカも起きちゃう」
「別に俺らが何をしているかわかるわけじゃないだろ」

そういう問題ではないのだけれど。

ルカは両親が仲良くしているのは感じるらしく、2人が寄り添ったりキスをしたりするととても嬉しそうにくるくると風になって飛び回る。

だが、子供のそんな笑い声を聞きながらするようなことではないし……

「本当にダ――あっ」

チュッと、レオの唇が胸元に落ちてくる。
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