風に恋して
「ねぇ、レオ。マリナ様はまだ……」
「あぁ、母上は別荘で静養中だ。最近は調子も良いらしいが」
レオの母親、マリナはレオが成人した頃から体調を崩しやすくなってしまい、王家の別荘で過ごすことが多くなっている。ここ数年はほとんど城に帰ってきていない。リアが小さい頃はとても元気だったのだけれど。
今思えば、ずっとヒメナのことで心労が絶えなかったのだろう。優しいマリナのことだから、自分がヒメナからオビディオを奪ったように感じてしまっていたのかもしれない。
エンツォはマリナを責めるようなことは言っていなかった。それは、マリナを傷つける意思はないということだろうか。
「ヒメナ様とマリナ様はとても仲の良い姉妹でした。エンツォはマリナ様に少なくとも悪い印象は持っていないのではないかと」
リアの心配を察して、セストが言う。
「あぁ。それに、母上を狙っていたとしても別荘にいれば見つけることは難しい」
王家の別荘はその所在地は極秘とされているし、結界も張られている。それに万が一見つかったとしても、完全なレフレクシオンにはユベールとエンツォ2人で赴かなければならない。
「今は、母上が城に戻れなくて良かったと思うな……」
レオが息を吐いて、ソファに背を沈めた。疲れているようにも見える。かなりハードなスケジュールで執務をこなしていたのだろう。
「あぁ、母上は別荘で静養中だ。最近は調子も良いらしいが」
レオの母親、マリナはレオが成人した頃から体調を崩しやすくなってしまい、王家の別荘で過ごすことが多くなっている。ここ数年はほとんど城に帰ってきていない。リアが小さい頃はとても元気だったのだけれど。
今思えば、ずっとヒメナのことで心労が絶えなかったのだろう。優しいマリナのことだから、自分がヒメナからオビディオを奪ったように感じてしまっていたのかもしれない。
エンツォはマリナを責めるようなことは言っていなかった。それは、マリナを傷つける意思はないということだろうか。
「ヒメナ様とマリナ様はとても仲の良い姉妹でした。エンツォはマリナ様に少なくとも悪い印象は持っていないのではないかと」
リアの心配を察して、セストが言う。
「あぁ。それに、母上を狙っていたとしても別荘にいれば見つけることは難しい」
王家の別荘はその所在地は極秘とされているし、結界も張られている。それに万が一見つかったとしても、完全なレフレクシオンにはユベールとエンツォ2人で赴かなければならない。
「今は、母上が城に戻れなくて良かったと思うな……」
レオが息を吐いて、ソファに背を沈めた。疲れているようにも見える。かなりハードなスケジュールで執務をこなしていたのだろう。