風に恋して
リアは窓の外を眺めてため息をついた。ガラスがリアの温かい吐息で白くなる。
レオの言った通り、あの日の夜から雨が降り続けている。もう3日目になるだろうか。風も強く吹いているらしく、雫が窓に叩きつける音が大きい。
天気が良い日は、中庭が暖かくて柔らかな風も吹いて心地よい。とても読書に適した場所。
だが、こう雨が降っていてはさすがに外で本を読むことはできない。ここのところはずっと自室として割り当てられたこの部屋で本のページを捲っている。
他にすることもない。
クラドールとしての仕事からもしばらく離れてしまっている。かと言って、この城で王家専属クラドールとしての役目に戻ることも気が進まない。
今は、ヴィエント城にも3人の王家専属クラドールがいるとカタリナが先日教えてくれた。セストはレオの側近として兼任という形だが、専業のクラドールが2人。人手は足りているだろう。
わざわざ記憶違いを自分から証明したくない――そう思っている時点でもう本当はわかっているのかもしれない。
リアはキュッと目を閉じて首を振ってからそっと窓から離れ、ベッドに置いてある本を手に取った。
また新しい本を見繕ってこよう。
そう思い立ち、昨夜読み終えた本とそれを一緒に抱え、リアは部屋を出た。
レオの言った通り、あの日の夜から雨が降り続けている。もう3日目になるだろうか。風も強く吹いているらしく、雫が窓に叩きつける音が大きい。
天気が良い日は、中庭が暖かくて柔らかな風も吹いて心地よい。とても読書に適した場所。
だが、こう雨が降っていてはさすがに外で本を読むことはできない。ここのところはずっと自室として割り当てられたこの部屋で本のページを捲っている。
他にすることもない。
クラドールとしての仕事からもしばらく離れてしまっている。かと言って、この城で王家専属クラドールとしての役目に戻ることも気が進まない。
今は、ヴィエント城にも3人の王家専属クラドールがいるとカタリナが先日教えてくれた。セストはレオの側近として兼任という形だが、専業のクラドールが2人。人手は足りているだろう。
わざわざ記憶違いを自分から証明したくない――そう思っている時点でもう本当はわかっているのかもしれない。
リアはキュッと目を閉じて首を振ってからそっと窓から離れ、ベッドに置いてある本を手に取った。
また新しい本を見繕ってこよう。
そう思い立ち、昨夜読み終えた本とそれを一緒に抱え、リアは部屋を出た。