君と恋色*tear rain
しかしほっと安堵したのも束の間、あちこちでひそひそと小声で会話するのが聞こえてきた。
「あれが成績凄いって噂やった子?なんや中学生みたいやな」
「ちっちゃくて可愛いー」
『…………』
150cm程しかない身長と生まれつきの童顔。
確かに中学生でも充分に通用する見た目だ。
幼いなんてもう言われ慣れていることなんだけど、やっぱり華の高校一年生として子供っぽく見られるのは愉快なことではない。
「じゃあ花井、あそこの空いてる席座れ」
先生に言われ、先生の視線の先にあった空席に向かう。
その席に辿り着いた時、私の目を惹いたのは隣の席の女の子。
第一印象は、女の子っぽくて清楚な雰囲気の綺麗な子。
目が合うと、にっこり笑った。
「あたし、大島有紗(おおしまありさ)ってゆうねん。よろしく」
『あ、うん!よろしくね』