絶望の淵で
私は数歩後ずさった。
「おはよう、ありさ。」
岬は穏やかに微笑みかけてきた。
その表情とは裏腹に全身に痣があり、鼻があった場所は血で染まっていた。
あれは…私がやったものだ…
「ありさのおかげでこんなステキな体になっちゃったよ。ありさも、もっとステキにしてあげる!」
そう言って私に歩み寄ってくる
「いやっ!」
私は落ちている石を投げつけた。
が、顔に当たってもびくともしない。
「あはっ、無駄だって!」
ついに岬が私の目の前までやってきた。
その恐怖から尻餅をついてしまった。
岬は私を狂気を孕んだ目で見下ろしている。
「――そろそろ始めようか。」