絶望の淵で
「ッッ!ああアアあァぁぁッッ!」
逆の手の甲にも五寸釘が突き刺さる。
「これで逃げられないね。」
さらに手首、肘、二の腕、肩にも突き立てられた。
純白のシーツは血に染まりはじめていた。
「どう?気分は楽になってきた?」
その問いに呻くような声で答える。
「もう…やめ…て……」
岬はその答えに狂ったように笑いだした。
「ハハハッッ!いい気味ね!でも残念、あんたが私にしたようにちゃんと100本用意してるからね!」
岬は私を苦しめるようにわざと急所を外して刺している。
四肢が五寸釘で覆い尽くされる頃には、シーツに染み込んだ血が赤黒く変色していた。