絶望の淵で


ガチャ―

「ただいま〜。」

両親は結婚記念日で旅行に行っているので家には私ひとりだ。


私は自分の部屋に行き雑誌を読み始めた。





雑誌に夢中になっていると6時過ぎになっていたので夕食を食べるために台所へ向かった。



「ん?」

一瞬、台所へ続く扉のむこうに人影がみえたような気がした。

恐る恐る扉を開く。



……しかしそこにはいつもの台所が広がっているだけだった。


――気のせいか。
私は気にせず昨日の残りのカレーを食べた。



カレーを食べ終え自分の部屋に戻った。



ガチャ―







「おいしかった?」




そこには、川添岬が笑いながらベッドに座っていた。
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