絶望の淵で


しかし私だって殺されたくはない。

私は再度扉を開けようとノブを捻った。
…が、やはりガチャガチャと音をたてるだけで開かない。


「無駄だよ。」



その時、私の真後ろから声がした。

「――!」

いつの間にか岬が私の真後ろに立っていた。


「無駄な抵抗はやめておとなしく殺されなって!あ、ちなみにあんたで終わりだから。」



そしてその手には、テレビでしか見たことがないような日本刀が握られていた。


逃げ場所がなくなった私はその場にへたりこんでしまった。


「あれ?抵抗しないの?おもしろくないな〜。じゃあもう終わらせようか。」



そう言うと、日本刀を私の首にあてた。



「これで私も地獄行きかな…。」



次の瞬間――







――私の首は宙に舞った。
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